146・アネット・ブロックス

Annette Brox、

69年にMercuryに1枚出している英ブルーズ・ロックのマイナーシーンのスーパーグループの一つにスウィート・ペイン(Sweet Pain)がありました。基本となっているのはエインズレー・ダンバーゆかりの人たち。まずダンバーがジュニア・ダン(ds)の名前で、ダンバーのバンドのキース・ティルマン(b)、そしてヴィクター・ブロックスがサム・クロイザー(p,vo)の名前で、ジョン・ダマー・ブルーズ・バンドのジョン・オリーリー(harp)、後にタイタス・グローンのスチュワート・カウエル(g)そしてヴィクター・ブロックス夫人のアネット・ブロックス(vo)、コロシアムのディック・ヘクストール・スミス(sax)がメンバー。印象的なのはオリーリーの熱いハーモニニカで、それと張り合うようなアネットのvoも負けていません。


Sweet Pain - Sick And Tired [1969 UK]

145・ルーシー・カプランスキー

Lucy Kaplansky、60年シカゴ出身

94年にショーン・コルヴィンprodでデビューしたフォーク系ssw。ダー・ウィリアムズ、リチャード・シンデルとのクライ・クライ・クライでの活動も知られる人で巣が日本ではほぼ無名。僕はちょうどこういう新しい世代のsswにキョーミがあった頃ちょっと聞きかじってみたけど(2枚目の「Flesh & Bone」('96))あんまりピンと来なかった。


Lucy Kaplansky-The Thief

 

144・アネット・ピーコック

Annette Peacock、41年、NYブルックリン出身

41年生まれと言うからこのブラフォードのソロに参加した頃は38歳。少女の様なあどけない表情を見せたりしますが、ヒジョーにそっけない歌い方が妙に曲にあってます。私生活では奔放な人だったようですが、音楽はすごく抑制されてますね。日本で知られるようになったのはやはりブラフォードがらみでしょうか。「X-Dream」('78)は持ってましたギルガメのフィル・リー(g)が参加してたんで。しかし第1期ブラフォードの貴重な動画ですね。

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143・カレン・ローレンス

Karen Lawrence、

カレン・ローレンスは、LAジェッツという西海岸のポップロックのvoだった人で、LAジェッツは、RCAに1枚76年に出してます。僕がローレンスの歌声を聴いたのは実はこれが最初ではなく、エアロスミスの”Get It Up”のパワフルなコーラスでした。LAジェッツ解散後、1994を組む間にエアロの「Draw The Line」に参加。prodがジャック・ダグラスだったんでそこでつながったのでは?(あるいは逆か?)と妄想します。79年にA&Mからデビューした1994と言うハードロックの看板voにもなります。同時期の同タイプの女性ロックvo~ハート、パット・ベネターやシンディ・バレンズあたりと比べるとちょっと弱いかなあ。

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141・ヌーシャ・フォックス

Noosha Fox、

スーザン・トレイナーの名前でウッドン・ホースと言うフォークバンドをやってたころはフツーのvoだったんですが、70's半ばにフォックスを組んでからのヌーシャ・フォックスのvoはヘリウム・ガス吸ったようなファニー・ヴォイスです。髪型と顔立ちはオールドファッションなのにこの声と言うギャップあります(萌えませんが)75~77年にかけていくつかヒットを出してますがレーベルがGTOだったので日本ではマイナーな存在。モダン・ポップとかニッチ・ポップとか言われる音です。バックはイエロー・ドッグとかぶる面々で、メンバーはフォークロックのルーツを持ちながらそういう音にな全然なってません。

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The Heat Is On - Noosha Fox 12

The Heat Is On - Noosha Fox 12"

 

 

140・エイト・フィート

Eight Feet、

そもそも個人名なのかグループなのかもわからなかった謎のアーティストですが、66年にColumbiaから唯一のシングルを出した人たち。66年というとすでにガール・グループのブームは終わっていて、この時期のトレンドだったフォークロックに、こうした当時の感覚でオールディーズっぽいムードのガール・サウンドを絡め、スペクター風のアレンジでやったのは、なかなか心憎い(ケイクの”Baby That's Me”もそうですが)。曲はアル・クーパーと(ほとんどクーパーが書いたらしいですが)アーウィン・レヴィンの作。クーパーがディランの”Like A Rolling Stone”('65)でオルガンを弾く前は裏方としてやっていたことは有名でした。”Bobby's Come A Long, Long Way”は、鼻にかかったvoが可愛らしい名曲で、少なくとも僕の琴線に触れまくります。グループに関しての情報は一切ありませんが、その昔M&M社の「Touch Of The Wall Of Sound」というブートまがいのコンピで知ったこの曲を、英Aceのスペクター風作品集「Phil's Spectre2」('05)で再会したときはしびれました。

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